『レコードクリーニングは芸術である』 by レイカ 大越 照比古 氏
オーディオアクセサリー ANALOG誌にあった記事です。
深く考えさせられます!
多くの絵画や彫刻を代表とする芸術作品は、
何十年、何百年の時を経ても多くの人を魅了し続けている。。。
作品側からすれば、生かされ続けている。。。
医療用語でいえば、延命措置をされている。。。
いったい何故か!?
良い物は残り続ける!?
何故か!?
それは、クリーニング、修復、徹底した管理がなされているからである!
音楽業界に身を置くと、よくこんな話を耳にする。。。
『昔は良い曲がいっぱいあった。現代の曲はつまらない曲ばかりだ!』
大変残念な話ではあるが、よく耳にします。特に中途半端な音楽人からこのフレーズが吹き出します。
昔の私も恥ずかしながら、口から出た事があります。未熟すぎた自分を呪いたいです。
山下達郎師はこのフレーズに対して、(ニュアンスはうる覚えですが、、、)
『時代と共に、ダメな曲は忘れ去られ、結果、良い曲しか記憶に残っていない。
だから昔の曲は良い曲ばかりだと勘違いする。昔の方が今よりダメな曲が多かった。』
巨匠の言葉は違います。。。Final Answerです!
先代から受け継いだ、素晴らしいレコード、
同世代で守るべき、素晴らしいレコード、
次世代へ受け継ぐ、素晴らしいレコード、
レコードクリーニングの世界へようこそ!!!
今宵からは数回に分けて、レコードクリーニングの世界について書こうと思います。
中古盤を買って、埃まみれだったり、カビるんるんだったり、
キズが多かったり、盤が曲がってたりで、
自身の心まで傷ついた事がある方も多いはず!
前のオーナーがしっかりメンテナンスしてりゃ。。。っとか思いつつ、
メンテがしっかりされてたら、前のオーナーは手放さなかったかも!っとか思いつつ、
いい音で聴く為にレコード磨きつつ!
いつか同じ感動を覚えるであろう次世代の為にもレコードを磨きます!
しかぁぁぁぁぁぁぁぁっし!
正しいクリーニング方法とは!?謎です!
水で洗って簡単にクリーニングできるなら、
数十万するクリーニングマシンがなぜあるのか!?
私自身、エンジニアの仕事で、レコードを録音する機会は沢山あります。
必ずクリーニングします!盤がピカピカでも、クリーニングします。
ピカピカでも肉眼じゃ見えませんから、汚れは!
レコードクリーニングには様々な方法があります。
間違った方法も沢山あります!それダメだってば!!!って言いたくなるのもあります。
今回は、Wax Alchemy流のクリーニングを公開します!
高額なお金は必要ありません。愛情さえあれば問題ありません。
必ずしもW.A.流が正しいという訳ではありません。
もっといい方法があれば、是非教えて下さい!
まずは、物質的な所から攻めます。
クリーニングする対象は何なのか!?
これを的確に理解していないと意味がありません。
相手が、鉄なのか布なのかで攻め方が変わります。
ドライクリーニングが使えるのか、はたまたそのせいで、縮んでしまったり!
衣類クリーニングの時を思い浮かべて下さい。
タグに洗い方と素材が書いてあります。
(アイロン 中性洗剤 ドライ / 綿80% ポリエステル20%)
まず、レコードの場合、これが何なのか!?です。
これを知らないで洗ってたら話に鳴りません!
アセテート、シュラックなどを除く現行のプレス盤について書きます。
詳しい人でも、恐らく『塩化ビニール100%』だと思っている方が多いはずです。
私もしばらくはそう思っていました。
違います。
レコード - 塩化ビニール85% 酢酸ビニール15% 油性安定剤 顔料 帯電防止剤
(※全てのレコードが上記ではありません)
見慣れないのがチラホラあると思います。
ビニール樹脂の他に油があります。。。
レコードは樹脂に安定剤と加熱溶解して一部の分子を未重合で完成させるものです。
それは、年齢経過による自然重合があるからです。この作用がレコード樹脂の寿命を延命します。
(バナナが緑色のまま出荷され、届いた時にちょうど良く黄色く仕上がるのに似ています。)
この油性安定剤、、、かなり大切です。健康な皮膚には適度な油分が必要なのと一緒です。
鋭い方はお気づきだと思いますが、、、『油性』安定剤なので、、、
【洗剤】。。。言うまでもありませんね。ダメです。
この他にもNGは沢山あります!
次回は、まずレコードクリーニングでのNG項目をおさえてから、
素晴らしきクリーニング芸術の世界へ誘います!
それではまた!
Who Said Vinyl is Past!?
鏡盤錬金術師 - 諏訪内 保
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